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専門書オーディオブック作成において、
兵庫県・神戸大学・関西学院大学との提携協力体制を発表

オーディオブックとその再生機材の写真

さる令和元年12月6日に当協会が主催した『第7回 兵庫県視覚障害者福祉まつり』において、当協会が管理運営する兵庫県点字図書館と、兵庫県、神戸大学、関西学院大学との間で『専門書オーディオブック作成についての提携協力体制』の確立およびオーディオブック聴読室(ちょうどくしつ)の完成について記者発表いたしました。

当館では、今年度より兵庫県委託事業の一環として、専門書を音声化したオーディオブックの作成に取り組んでおりましたが、校正の段階では分野ごとの専門知識が必要とされることから、神戸大学・関西学院大学との連携体制を確立する運びとなりました。この連携体制は、兵庫県の地域創生に係る包括連携協力協定を基にしており、数式や図表の読解や校正作業の面で大学よりお力添えいただきつつ蔵書を充実させていきます。

オーディオブック作成事業と合わせて、これらを円滑に利用できる聴読室も整備しました。全国的にも珍しい設備ですが、落ち着いた環境で集中して学べる環境が重要であることから、整備を進めてまいりました。

専門書オーディオブックとその必要性について

オーディオブックとその再生機材の写真

オーディオブックとは、活字・点字での読書が困難な視覚障害者のために書籍の内容を音声化した図書です。

視覚障害者が読む本として、活字を点字に訳された本が有名ですが、点字でもって実用的な読書ができる視覚障害者はごくわずか(全体の1割未満)であり、大多数の視覚障害者が音声化された図書を利用しているのが現状です。

視覚障害者向けの図書の課題として、一冊の本を音声化した本や点字にした本に仕上げるには多くの時間がかかる点があげられます。これにより、読者の多い新書や小説が優先して供給されてきたことから、専門分野の学習が満足にできない視覚障害者がいます。たとえ供給されたとしても情報の鮮度が落ちてしまうという課題もあり、特に情報の陳腐化が著しい専門書では従来の供給体制に代わる体制が求められてきました。

こうした課題をふまえ、当館では情報処理技術を応用することで従来より格段に速いペースで図書を音声化する技法の開発を進めております。

今後、県や大学との連携を深めつつ、蔵書の充実と、ニーズを持つ視覚障害者への迅速な提供を目指します。

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